売れるECサイトが心得ているたった1つの大原則とは?
ECサイト運営に関わる業務は煩雑です。
- モール型 or 独自ショップ型の選定
- デザイン設計
- ショップ構築
- 商品画像、商品説明、商品登録
- 決済サービス導入
- 配送業者選定
- 受発注、納品書、請求書
- 検品、梱包、発送
- 交換返品対応
- 顧客管理、在庫管理など
…ボリューム満点ですね。笑
またECサイトはインターネット上にショップを構えるので、以下のようなWEBマーケティングも必要になります。
- SEO対策、PPC広告
- ブログ、SNSの活用
- アクセス解析
- 導線設計
- 競合分析
- ターゲット選定
これらはすべて「商品を売る」「売れるショップを作る」という目標を達成するために必要なプロセスです。
こういったボリューム満点の業務に追われて中々目標を達成できず、「なぜ売れないのか?」「何が悪いのか?」と大変な思いをしているネットショップ運営者様は少なくありません。
課題解決のヒントは、たった1つの大原則がカギを握っています。
その大原則とは「顧客の不安を解消する」です。
本記事ではこの大原則についてご説明していきます。
目次
なぜ顧客はあなたのショップで買わないのか?
インターネットで商品を購入することが当たり前の世の中にはなりましたが、販売者が抱く期待通りに商品が売れまくることは中々ありません。
顧客が検討している購入先は複数あって、顧客はどこのショップで買うかを相対的に判断しています。
例えば訪問ユーザーがカート落ちしていた場合、競合他社に流れているかもしれません。
「なぜカート落ちしたのか?」というと「他のショップよりも不安を解消できていなかった」という仮説を立てることができます。
顧客が重要視する検討材料は色々と考えられますが、基本的には「顧客の不安を解消する」ことができればあなたのショップで購入してくれる確率を高めることができます。
この理由は「顧客がネットショッピングを利用する際に抱く不安」を知ることで見えてきます。
参照元:ネットショッピングについてのアンケート・ランキング : 何でも調査団(@niftyニュース)
「余計なものを注文してしまう」以外はすべて、顧客が事前に抱く不安を表していることをお分かりいただけると思います。
ちなみに表題の「デメリット」を私は「不安」と解釈していますが、これは「デメリットを解消してメリットを打ち出す」というよりも「不安を解消して信頼を獲得する」という思考を元にアプローチしていった方が、より顧客目線に近づけると考えているからです。
不安の解消は信頼の獲得ということでもあります。
次に「顧客がネットショッピングをする際に重視していること」を見てみましょう。
参照元:ネットショッピングについてのアンケート・ランキング : 何でも調査団(@niftyニュース)
大別すると「価格」と「信頼性」の2つを重視していることが分かります。
青枠で囲った部分が信頼性に関わる部分です。
あなたのショップで購入検討している顧客が抱くであろう不安を想像し、不安を解消するコンテンツをしっかりと設けることが大切です。
他のショップよりも信頼を獲得することが出来れば、顧客があなたのショップを選んでくれる確率は高まります。
さらに、ショップの価格の妥当性を納得してもらえることにも役立ちますので、競合より高くても売れるショップを作ることも可能になります。
売れるショップを目指すために、顧客から信頼してもらえるような運営を心がけましょう。
顧客の不安を解消する具体例
では次に、先ほどの表にあった顧客の不安に対して、どのようにすれば不安を解消してあげられるかの手段を挙げてみます。
色々な戦術がありますが、今回は方向性として広く浅くご紹介していきたいと思います。
実物を手に取って確認できない
<ユーザーの不安>
- ディティールを見たい
- 素材が見たい
- 箱などの付属品を見たい
<ショップの手段>
- 商品画像をたくさん設ける
- 細かい部分まで載せる
- 商品画像を鮮明にする(解像度を高める)
- 動画を載せる
- 使用イメージを載せる
商品画像はとても重要です。
自社商品であれば当然商品撮影をすると思いますが、型番商品であってもメーカーから配布される画像をただ載せるだけではなく、オリジナルの画像を用意することが望ましいです。
撮影や編集は中々骨の折れる作業ではありますが、購入者の立場になって必要な画像を「これでもか」というくらい用意してあげると購入ハードルを下げることにつながります。
文章で説明するよりも、画像で視覚的に伝えた方が分かりやすい面もあります。
想像していた色・素材と違うことがある
<ユーザーの不安>
- 想像していたものと違ったらどうしよう…
- 生地が気に入らなかったらどうしよう…
<ショップの手段>
- ホワイトバランスをマニュアルに合わせる(撮影環境)
- 素材感が伝わりやすい画像を載せる
- 実物との誤差は多少生じる文言を入れる
- 素材を詳細に載せる
「想像」は人それぞれ感じ方が異なるので対策には限界がありますが、事前に手を尽くすことによって返品率を減らすことができます。
サイズが合わないことがある
<ユーザーの不安>
- サイズが合わなかったら違ったらどうしよう…
<ショップの手段>
- 比較対象となる一般的なアイテムと一緒に載せる
- サイズガイドや寸法を詳細に載せる
- 様々な角度の着用画像を載せる
- モデルの体型などを載せる
- 着用感の生の声を載せる
S、M、Lといったような規格だけでは、顧客に十分なサイズ感を伝えることはできません。
ショップ側が用意できる情報には限界がありますので、顧客からもらったフィードバックを盛り込むと非常に参考になります。
個人情報流出の恐れがある、クレジットカード情報を悪用されそう
<ユーザーの不安>
- 個人情報が悪用されたらどうしよう…
- カードが不正利用されたらどうしよう…
<ショップの手段>
- プライバシーポリシーを設ける
- カード決済フローなどのコンテンツを設ける
「当ショップでは個人情報を厳正に管理しています」ということをプライバシーポリシーでしっかりと示して下さい。
プライバシーポリシーはSEO対策に有効的という説もあります。
これは推測なのですが、「個人情報を取り扱うWEBサイトにはプライバシーポリシーがあって当然」と判断されていることが理由として考えられます。
カード払いは「決済サービス提供元の高いセキュリティで管理されている」「ショップ運営元がカード情報を知ることはない」ということを伝えると良いでしょう。
送料が高い場合がある
<ユーザーの不安>
- 思っていたよりも送料が高かった
- もう少し安くならないかな…
<ショップの手段>
- 送料ガイドを分かりやすい箇所に設ける
- 安い配送業者、配送方法を探す
- 配送方法の選択肢を設ける
- 〇〇円以上で送料無料を設ける
先ほどのユーザーが重視している表で「送料の安さ」は第3位でした。
「保証はいらないから送料は安い方がいい」と感じる顧客もいるでしょう。
ショップの円滑な運営上、配送方法を限定している場合があると思いますが、安い配送方法も選択肢に組み込むことができればベターです。
また「送料無料」であることにお得感や魅力を感じる顧客も存在しますので、送料無料にできる工夫を凝らしてみるのも1つです。
商品に納得いかなくても返品しづらい
<ユーザーの不安>
- 気軽に返品できるのだろうか…
- 返品規約の確認、返品作業がおっくう
<ショップの手段>
- 返品に関するコンテンツを設ける
- 気軽に返品出来ることを謳う(条件を設ける)
「気軽に返品できることを謳ってしまえば返品率が高くなるのではないか?」という心配があると思いますが、そもそも顧客は返品する前提で商品購入に踏み切るわけではありません。
それよりも「気軽に返品できるお店だから安心して購入できるな」と感じてもらえる方がメリットは大きいです。
ただし、不利益を被ることがないように「届いてから7日以内に、納品時と同じ状態でご返品下さい。お客様都合による返品の送料は、お客様のご負担でお願い致します」といった条件を設けるようにすると良いでしょう。
類似品・偽物を売られる可能性がある
<ユーザーの不安>
- 本当に正規品なのだろうか…
- 偽物だった場合はどうしよう…
<ショップの手段>
- 正規品であることを証明するコンテンツを設ける
- 偽物だった場合は全額返金保証する
ショップの信頼性が問われる分かりやすい不安の例ですね。
並行輸入品は特にこの不安が強いと思います。
正規品を証明する説明としては、仕入ルートの概要を示したり、ギャランティカードを載せたり、ショップ独自の保証を設けるといった方法があります。
そこまで示し、「偽物だった場合は全額返金する」とまで言ってもらえれば、偽物に対する不安を解消することができるでしょう。
購入して届くまで時間がかかる、商品が届かない恐れがある
<ユーザーの不安>
- 早く欲しい!
- いつ届くのだろうか…
<ショップの手段>
- 商品購入フローを設ける
- 購入後は迅速にレスポンスする
- 出来るだけ早く発送対応する
- 配送状況などをこまめに連絡する
ネットショッピングはその場で即手に入る実店舗と違い、リードタイムが必要です。
そのリードタイムを半日でも縮めることが出来れば、顧客満足に繋がります。
商品購入後から顧客とのやりとりがスタートしますが、このやりとりを迅速に行うことがポイントです。
要所で的確な報告をすることによって、リードタイムや配送状況に納得してもらえるでしょう。
中小零細ECは徹底的に顧客の不安を解消する
冒頭でお伝えしたように、ECサイトのビジネスモデルは煩雑です。
どれほど素晴らしい商品であっても、その商品力だけを武器に購入してもらうことは困難を極めます。
本記事は主に中小零細規模のECサイト運営者様向けの内容なのですが、リソースが潤沢にある大手と同じ戦い方をしても太刀打ちできません。
大手とは異なるアプローチでECサイトを運営していくことが成果に結びつける秘訣です。
そのためには顧客の不安を解消するために何が出来るかを考え抜くことが大切です。
そして購入してもらうまでの(重要な)プロセス1つ1つに、戦略を持って取り組まなくてはなりません。
ECサイト運営に関することはかなり深掘りできてしまうので、また次回以降に改めてご紹介していきたいと思います。