なぜ御社は人材採用できないのか? 大学生に聞いた就活の本音<その1>

ECスプレッドの菅原です。
社会問題化している働き手不足の影響で「採用したくても採用できない」という課題を抱えている企業様は多いと思います。
以前採用に役立てるWEB活用法として採用マーケティングをご紹介しました。
基本的にはこの内容の通りなのですが、マーケティングは顧客理解が大切なので、採用活動の顧客ともいえる大学生にインタビューを行いました。
大学生というと新卒採用になりますが、インタビューを通して中途・パート・アルバイトなども含めた人材採用すべてに共通する重要なエッセンスが見えてきました。
やっぱり「顧客(就活者)が何を求めているのか?」という顧客視点に立たなければ、人材採用はうまくいかなさそうです。
ところで、なぜ私がインタビューを行ったのかというと「人材採用におけるWEBコンテンツは何が必要なのか?」を顧客視点で知りたかったからです。
本記事を読むことで、人材採用活動に役立てられる新しい気付きが得られると思います◎
採用活動を行っている企業様は、是非ご一読頂けたらと思います。
目次
インタビュー開始
インタビュアー:菅原(ECスプレッド)
インタビュイー:工藤くん(秋田大学理工学部3年)
突然の謎のお願いに快く応じてくれた工藤くんはひげだるま(弊社で経営している居酒屋)の常連さんで、かれこれ2年位の付き合いになります。
僕から見た工藤くんは「先輩からは可愛がれ、後輩からは慕われ、みんなから頼られる求心力のあるキーパーソン」という印象です。(周りのみなさん、違ったらお知らせ下さい。笑)
では会話形式で内容をお伝えしていきたいと思います。
忙しいところありがとう! 今日はよろしくね!
宜しくお願いします!
今日は就職活動してる大学生が「どういう考えを持っているか?」とか「どういうことに課題を感じているか?」といったようなことを教えてもらいたくてお願いした感じです。
了解しました。僕でよければって感じですが。笑
工藤くんは就活してる?
僕はしてなくて、専門学校に行こうと思ってます。
そうなの?! もしかして卒業しないでそっちに進むってこと?
そうです。
中々思い切った選択だね~。
そうですね。笑 でもやりたいことが決まってるなら、あと一年待つよりそっちに進んだ方が良いんじゃないかなって。
おー素晴らしい!
なので、ホント僕で良ければって感じなんですけど。笑
工藤くんの周りで就活している人の雰囲気とか、何してるかとかは分かるでしょ? それ分かれば十分なので全然大丈夫だよ!
そういうのは分かりますね。
新社会人のリアルな声は?
工藤くんはサークルで幅広い付き合いがあると思うけど、就職した先輩の話を聞く機会もあるよね。
社会人になった先輩って実際働いてどういうこと感じてるもんかな?
よく聞くのは入社前の採用情報とかインターンでやった仕事と内容が違うって声が多いですね。入社後の配属とか異動で「俺のやりたい仕事ってこれだっけ?」って食らっちゃう人もいるみたいです。中には「思ってたのと違う」ってことで半年位で辞めてる人もいましたね。
そっか~。そのギャップを受け止めるのって辛いよね。
そうですね、もちろん企業さんには事情があるんでしょうけど。でも本当にやりたいことがあって入社した人にしてみれば、そのギャップからくる挫折感みたいなのは大きいと思います。あと残業ひどくて寝れてない先輩とかは転職考えてるっていいますね。
残業が多いとか、希望と違う部署に配属なるかもしれないことを事前に理解してもらってればまだいいんだけどね。
はい。あとは重きを置いてる部分にもよると思います。例えば秋田で就職したくて就職先決めたっていう人だったら、秋田でいれることに重きがあるので、多少ギャップがあっても納得できる感はあると思うんですよ。やりたいことと違っても「ある程度の給料もらえてるし…まぁいっか~」みたいな。
<新社会人の声まとめ>
- 多くの新社会人が期待と現実のギャップに直面する
- やりたいことがあって入社した人はギャップに挫折感を味わう
- 住む場所に重きを置いている人は住む場所が変わらなければギャップを受け入れやすい傾向もある
就職先選びは何を重視しているのか?
なるほどね~。地元で就職したいっていう人は結構多い?
多いですね。地元に戻るかどうかはウェイトとして大きいです。やりたい仕事があって就職先を選ぶか、地元に戻りたくて就職先を選ぶか、大きく分けるとその2パターンですね。
それでいうと、地元に戻りたくて就職先を選ぶ人は「本当は自分のやりたい仕事でもないけど、地元にいれるならまぁ仕方ないか」ってある意味妥協してるイメージ?
そんな感じです。でもそもそもやりたい仕事が決まってない人の方が圧倒的に多くて、やりたい仕事から希望する企業に入った人は稀ですね。
なるほど。やりたい仕事って中々見つからないよね。
そういう目的がない人は自分で行動しない傾向があって、教授の薦めた就職先に進むケースも多いです。でも目的とかやりたいことが決まってなければ何かあると挫折する人も多いです。逆にやりたいことが決まっている人はうまくやってる感じがしますね。
<重視することまとめ>
- やりたい仕事が決まっていない人の方が圧倒的に多い
- 目的意識の低い人は生産性の低い社員になるかも…?
- 望み通りの仕事が出来ている人は生産性の高い社員になりそう
就職先候補を探すためにどういう情報収集をしているか?
やりたい仕事がない人でも漏れなく就活すると思うんだけど、教授からの推薦以外にはどうやって仕事を見つけるの?
校内に就職支援サポート的な相談できる所があって、そこを使ったりとか、あとは自分で企業を探す人の方が多いですね。
自分で探す情報収集の手段は確実にネットだよね?
絶対ネットで調べます。
実は以前お客さんから相談受けたことあったんだけど。「ウチの会社ホームページ古いし、もう5年くらい更新してなくてさ。今の人たちって絶対ネット見るじゃん? これじゃ求人出しても入りたいって思わないよね…」って感じの話で。更新されてないホームページって応募に踏み切るハードル高いよね?
それは切りますね。笑(即答)
お~切るんだ。笑
はい。笑 何かしらのきっかけでその企業のことを知って、興味を持って「いい企業だな」と思ってホームページ見たら更新が2015年とかだったら切りますね。
だよね。笑 情報少ないと色々心配だもんね。
「ホームページも更新できないレベルの会社なのか?」って不安になっちゃいますし、あとは社風も分からないので。
社風か~。
社風は気にしますね。2015年の更新時点で書かれてる社風と、今現在の社風って変わってるかもしれないじゃないですか。あとは紙のパンフレット配布してる企業もありますけど、パンフレットの内容とホームページの内容が違っていたら「あれ? 社風変わった…?」って不安になりますね。
なるほど~それはその通りだね。
ですね…。笑 あと2019年に更新してて「今年のインターンやってますよ」って企業には電話しますけど、最終更新が2017年で「今年のインターンやってますよ」って企業には電話する勇気ありません。笑
ホームページ相当重要だね!
相当重要です。情報量で判断するので。基本情報が書いてあるだけよりもやっぱり実際働いてる人の体験談があったりとか、具体的にどういう業務があるのかとか、業務時間とか、社風とか、インターンの募集をやってるのかとか…があるとありがたいですね。
<情報収集まとめ>
- ホームページの情報は重要過ぎる
- 常に新しい情報に更新していなければならない
- 就活している人が目にしうる採用情報はすべて整合を図っておく
- 就活者が知りたい情報は網羅しておく
「企業の口コミサイト」は参考にする?
社風とか働いてる人の声とかってもれなく盛り込むべきコンテンツだと僕も思うんだけどさ、正直そういうのって中の人が提供する情報じゃん? バイアスかかってるって感じない?笑
ですね。社風は上っ面だと思ってます。笑 なので、そのバイアスは「インターンに参加して確かめよう」ってなりますね。
やっぱりそうだよね。事前にくまなく情報はリサーチするよね。ネットに企業の口コミサイトみたいなのあるじゃん? ああいうのって参考にする?
見ますね。口コミサイトは有用というか、かなり強いです。あれって色んなこと書かれてますけど、企業さんの方でいいように書いてる場合もあると思うんですよね。
おー自作自演ね。そういうのってやっぱ分かる?
分かりますね。自作自演みたいな口コミはみんな見抜いてると思いますよ。分かりやすく言うと、悪いこともちゃんと書いてある口コミの方が信頼できますね。「時間外労働は基本ありません」みたいなのは信用できないです。
おもしろい! そうだよね、嘘は伝わるからね。笑 もしそれが嘘じゃなくて本当に時間外がなかったとしても「嘘っぽい」って見てる人が感じちゃったらわざわざ踏み込むリスク取りたくないよね。
そうですね。積極性がないというか、受け身の学生の方が多い気がしますし…。
<口コミサイトまとめ>
- 第三者の意見が意思決定に影響を及ぼす
- 口コミサイトに限らず、就活者は企業に関するあらゆる情報を得ようとリサーチする
- 得られた情報を鵜呑みにせず、しっかりと精査している
まとめ
昔から変わってなさそうな「普遍的な悩み」もあれば、「今の時代ならではの悩み」もあるんだなという印象を持ちました。
私が新卒入社したのは12年前ですが、学校で学んできた技能とは無関係の部署に配属されたときに「いや、コレ僕じゃなくてもいいんじゃないのかな…」というギャップを感じたことを思い出しました。 笑
今なら理解できるのですが、それでも「期待と現実のギャップを受け止めざるを得ない状況」というのは本人からすれば「悩み」に違いない訳です。
「今の時代ならではの悩み」でいうと、企業ホームページの重要度が高すぎるという点です。
インターネットが生活に欠かせないほど普及した現代において、 ホームページをしっかりと管理することは大前提ですね。
今回のインタビュー記事は2本立てでまとめさせて頂きました。
次の記事は以下のような内容となっております。
- ホームページに掲載しておくべき情報は?
- 「今の若い世代」は企業に何を求めているのか?
- これで離職を防げる? 採用活動に組むと良さそうなワンクッション
- 企業の採用活動はどういうスタンスであるべきか?
是非、続きもご覧頂けたらと思います◎