なぜ御社は人材採用できないのか? 大学生に聞いた就活の本音<その2>

ECスプレッドの菅原です。
本記事は就職活動の意識や課題感に関する大学生へのインタビュー記事<その2>です。
インタビュー記事<その1>はこちらからご覧下さい。
↓続きは以下からスタートです。
目次
企業がホームページに掲載しておくべき情報は?
まぁ口コミサイトも参考にはなるけど信ぴょう性には欠けるから、企業がホームページで発信する情報が重要ってことだよね。どういう情報があれば良いと思う?
えーっと・・・例えばインターンなら事前情報が結構重要ですね。「期間はどうなのか?」とか「具体的にどういう流れで実施されるのか?」とか書かれてると嬉しいですね。インターンにもコースがあったりするんですけど、「コース選べます」って感じでただコースが羅列されてるだけみたいなのもあって。
ほうほう。
やっぱり、より細かく書いてあれば嬉しいですね。例えば他の会社と違う特徴があるなら「具体的に何が違うのか?」とか「違うことによって何が変わったのか?」とか「変わったことによって働いている人はどう感じているのか?」とか。あとは「プライド持って取り組んでます」だったら「どういうプライドを持っているのか?」を具体的に知りたいし、実際に働いている人の声があれば見てる人にプライドがちゃんと伝わると思います。
お~そこまで掘り下げるんだ。
あくまでも僕の主観なんですけど。笑
でもその通りだと思うよ。これから1日の3分の1以上の時間を費やす人生における重要な選択をするわけだから、不安は解消したいよね。
そうですね! ただいいこと書いてあるだけの会社って信用できないんですよ。それってみんな同じようなこと思ってて「いいこと書いてあるけど絶対裏あるよね」ってなるんですよ。悪いところもある程度出さないと学生は信用しないので、悪いことも包み隠さず書いて、それに対してどういう取り組みをしてるのかとか、その結果どうなったのかとかそういうことを知りたいんですよね。
おーなんか腑に落ちる。
はい。「業務の遅れで残業は発生しますが、サポートしますよ」の方が安心できます。実際は働かないと分からないんですけど、書いてあると安心できます。雇う側は悪いところ隠しちゃダメかなと思いますね。
<ホームページ掲載情報まとめ>
- 情報は出来るだけ具体的に記載する
- 悪いところもオープンにしてしまった方が見ている方は安心できる
「今の若い世代」は企業に何を求めているのか?
すごい勉強なる。工藤くんの主観もあると思うんだけど、今の若い人たちがどういうことに不安を感じて、どういうことを求めてるかの輪郭が見えてきた気がする。マーケティングは相手を理解することがとても大切なんだけど、採用活動する企業は働く人が何を求めてるのかを理解しないといけないね。
そうですね。ちょっと求めすぎかなっても思うんですけど。笑 今の世代は受け身の人が多いので、企業さんの方から積極的に来てくれるくらいの方がいいかもしれません。
なるほど~。
例えば上の年代の人たちからしてみれば「お前たちもっと来いよ」って思うことがあったとすれば、僕ら世代は「行ってあげるよ」が欲しいんですよね。笑 上の人が積極的にいかないと状況は変わらないのかなーなんて。
最終的には個人の問題だけど、その世代特有の価値観って少なからずあるからね。そこをうまく調整しないと…って感じかなー。今の時代に寄せるというか合わせるというか。
そうですね。その人個人を見るような姿勢が大切な気がします。個人を大切にする時代だからこそ、個人を出せる、会社としても個人を見出すような機会を練り直さないといけないというか。上の人が自分を見てるか or 見てないかのスタンスは重要ですね。
あーなるほど。「お前たちもっと来いよ」だったらなんか一様に扱われてる感じがするけど、「行ってあげるよ」だったら「自分のことちゃんと見てくれてるんだ」って感じるもんね。さっき工藤くんが言ってたような「詳しい情報」がない企業のホームページってまさに「お前たちもっと来いよ」だよね。笑
そうですね! なんていうか機械的にやってきたきたことが成り立たない時代なのかなーって思いますね。大手なら応募も多いと思うのでそれで成り立つのかもしれないけど、中小企業とか小さい規模の会社ならそれが必要なんじゃないかなと。
<今の若い世代の感じていることまとめ>
- 受け身が多いので、歩み寄ってもらった方がありがたい
- 個人にフォーカスした体制、サポートが欲しい
これで離職を防げる? 採用活動に組み込むと良さそうなワンクッション
やっぱ色んな視点から根本的に見直さないといけない時代になってきてるのかもね。採用活動の在り方そのものも含めて。
ですね。
個人的に最近思ったことなんだけど、求人情報見てて、いきなり応募するのってハードル高いよなって思ったんだよね。ネットで調べて「全然情報分かんないじゃん」みたいな会社とかさ。その企業に応募する理由って別に「給料いくらです」とか「休みこのくらいあります」とか「福利厚生どうです」とかそれだけじゃないじゃん。なんか正式な応募に踏み切る前の擦り合わせ的なのあればいいよね。
それ思いますね。中途もインターンとかそういう機会あれば良いんじゃないかって思いますね。インターンだったらインターン前とインターン後にご飯会を設けてくれる会社もあるんですよ。そういうのに参加した人の話聞いたら「フランクで良い印象持った」って言ってましたね。
中途のインターンってあんまないよね。
少ないと思いますね。なので、これは中途に限らずなんですけど、働く前というか正式な応募の前に一旦話す場を設けるくらいあったらいいと思うんですよね。
お~! それって、正式な応募っていうよりも「まずは担当者と色々話してみましょう」みたいな砕けた場的な?
そうですね! 正式な面接じゃない気軽な場が欲しいですね。就職説明会みたいなのに行っても一方通行なので、実際に会って話すがあれば違うと思います。
それいいかもね。企業は多額のコスト投じて人採るわけだけど、入社してすぐ辞められたり、適正じゃない人雇ったら意味ないもんね。ヤバいヤツ採用しちゃったらむしろ損失なワケだし。。。笑 それお互いのミスマッチを防ぐいいやり方かも!
はい。企業さんもただ人が欲しいって訳じゃないと思うので「本当にやる気があって働いてくれる人材を選ぶべきでは?」って思いますね。あとは学生もそこを判断すべきです。「採用してくれんだ、ありがとう!」だと長続きしないので。笑
合わないと辞めるからね。
「会社を辞める若者が多い」っていう記事よくありますけど、人間性を見ずに採用した結果なんじゃないかなって思いますね。まとめてパッと判断するんじゃなくて、1人の人間を見定めているかどうかが必要だと思います。
それは言えてるかも。
あと辞めることのハードルが下がってますね、今の時代。それが許されてるわけじゃないけど、すぐ辞める人がネットに一杯いるから心理的には「自分も辞めてもいっか」っていうのはありそうですね。
そっか、自分と同じ境遇の人を探すんだ。笑
そうですね。笑 だから勤めてて上司とかから「辞めたらどうですか?」っていうのがあれば真に受けちゃう人が多いんですよ。受け身なので。なので、さっき言った正式な応募の前の面談みたいなのは相手にも考えさせることができるし、企業にとっても見極めができるのでいいのかなーと。お互いに吟味できてないことが問題だと思います。
企業の採用活動はどういうスタンスであるべきか?
いやー色々勉強なった~。あと最後に、企業側はどういうスタンスで採用活動すればいいと思う?
えっと、大学のオープンキャンパスと同じだと思うんですよ。
おーっ、ていうと?
まず「きれいな大学だな」とか「さびれてる雰囲気だな」とか雰囲気を見て、それで実際に参加して授業風景を見たり、教授や学生からの話を聞いたり…興味の湧き方ってみんな違うと思うんですけど、大学の場合はそういうのがしっかりしてるんですよ、事前説明とか。企業の採用活動よりもオープンキャンパスの方が相手に対する理解度が高いですね。
へぇ~それは興味深い!
大学はホームページもしっかりしてますね。オープンキャンパスの情報はもちろん、サークルの情報もありますし、情報がより詳しくのってます。
そうなんだ! 僕は大学出てないので分からないけど。笑
大学の場合「学生欲しいです! ぜひうちに入ってください!」が伝わってくるんですよ。やっぱりそうやって親身になって「入って欲しい」と言われたら興味も沸くんですけど、「うちじゃなくてもいいです」って言われれば興味は湧かないですね。
相手に対する理解とか、歩み寄りとかがしっかりしてるんだね。
そうですね。そういう大学のスタンスでいうと、採用活動も普通は学生がバンバン動くけど、企業の方でバンバン動いてくれる状況にするといいんじゃないかなーって思いますね。
なるほどね~。ちょっとスケールの大きい話になるかもだけど、今までやってきた採用活動の常識的なものを根本から見直した方が良い時代に突入してるのかもしれないね。
そうですね…今までの当たり前は通用しないと思います。どうやったら自分の会社で働きたいって思ってもらえるかが重要ですね。
おー素晴らしい結び! 今日はありがとう!!
僕の主観かもしれないですけど…。笑 こちらこそありがとうございました!
まとめ
今回現役の大学生から本音を聞かせてもらったことで、「企業の人材採用には何が必要なのか?」というテーマを解決する糸口が見えてきたような気がしました。
もし私が企業の採用担当だったら、今回のインタビューから得られた意見を大いに取り入れて実践してみると思います。
- ホームページは常に最新の情報に整える
- 求職者が知りたい情報をリサーチし、コンテンツを網羅する
- 対象者が「若い世代」なら特に歩み寄りを意識する
…とは言っても、サンプル数(調査人数)が少なく、 本人も言っている通り主観もあるかもしれません。
もちろんすべてがこの通りということはありませんが、それでも十分示唆に富んだ意見が得られたなと感じています。
工藤くんは自分の考えを整理して、しっかりと相手に伝えることが出来るタイプで。
そして就活していない立場だからこそ、気兼ねがなくて、冷静に分析して考えをまとめることができたのかなと思いました。
ではこのインタビューを参考にし、WEBマーケティング視点で「企業はどういったアプローチで採用活動に取り組んで行けばよいのか?」についてはまた改めてまとめたいと思います。
工藤くん、ご協力ありがとうございました!